主な疾患
クラミジア感染症
女性がかかるものとしてはもっとも頻度が高い性感染症です。男女ともにかかる可能性があり、約80%が無症状であるため、自覚しにくいことが特徴です。女性が感染した場合、子宮・卵管・肝臓の周囲にまで炎症が及ぶことがあり、不妊の原因となるケースがあります。
性器ヘルペス
性器にできる水泡や、そけい部のリンパ腺の腫れが出る感染症です。性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染によって、性器が浅くただれたり、水ぼうそうのようなブツブツができる疾患です。セックスやオーラルセックスが主な感染経路です。特に女性は性行為時の摩擦により、膣内の粘膜に細かい傷ができやすいため、男性より感染リスクが高いと言われています。ヘルペスは治療を行わない場合も3週間ほどで症状は無くなりますが、一度感染すると、体内からヘルペスウイルスを完全に取り除くことは出来ないため、再発する可能性があります。
尖圭(せんけい)コンジローマ
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で起こり、性器や肛門の周りにイボができる感染症です。痛み・かゆみはないが再発しやすくしっかり治すことが大切です。尖圭コンジローマの人と性行為をすると、60~80%が感染すると言われています。尖圭コンジローマは自覚症状がほとんどありませんが、性器や肛門周りにイボがある場合は、放置せずにご相談ください。
トリコモナス腟炎
トリコモナス腟炎とは、トリコモナス原虫の寄生によって起こる感染症です。感染後1週間~2週間で発症します。性行為による感染以外にも、濡れたタオルや浴槽、便器などからも感染します。感染者の10~20%は無症状で、症状としてはおりものの増加やにおい、かゆみがでます。
淋菌感染症
淋菌感染症はクラミジア感染症に並んで多く見られる性感染症です。オーラルセックスによって、感染することが多く、近年、感染頻度が高まっている感染症です。女性では、黄緑色っぽいおりものが出たり、臭いがキツくなったりします。また、排尿時の痛み、頻尿、残尿感が起こることもあります。
HIV感染症(エイズ)
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)への感染で起こる感染症です。潜伏期間が6ヶ月~10年以上と非常に長いことが大きな特徴です。発症すると免疫力が低下するため、通常ならほとんど害のない細菌・ウイルスに感染したり、悪性疾患などで死に至るケースもあります。
梅毒
梅毒トレポネーマによる感染で起こる感染症です。性行為によってうつることが多く、自覚症状が少ない且つ潜伏期間が長いため、知らないうちに多くの人に感染させてしまう可能性があります。感染したまま、妊娠をすると胎児にも感染をします。また、放っておくと脳の神経まで影響を与えることもあります。抗生物質がなかった時代には不治の病と言われておりましたが、今は適切な治療を早期に受ければ完治可能です。