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子宮・卵巣の異常

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子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮の入口の部分である「子宮頸部」から発生する女性特有のがんです。子宮頸がんは、以前は40歳~50歳代の女性に多くみられましたが、最近では若い女性にも増加しており、30代後半が発症のピークになっています。

原因

原因の多くがヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染とされています。このウイルスは性的接触によって子宮頸部に感染しますが、ほとんどの場合が一過性のもので免疫の力で排除されます。しかし、一部で感染が持続することがあり、さらにその中の一部から異形成とよばれる前がん病変を経て、子宮頸がんが発症します。

子宮頸がんは、早期に発見すれば治癒率も高く、また子宮を温存できる可能性が十分にあります。しかし、進行すると再発率や死亡率が高くなり、子宮全摘出や抗がん剤治療、放射線治療などの大がかりな治療が必要になるため、早期発見が極めて重要です。そのため、特に症状がなくても、定期的な検診を受けることが大切です。

子宮頸がん検査

子宮がん検査とは、子宮頸がんの早期発見を目的に行う検査です。
ブラシのような専用の器具で子宮頸部の細胞を採取し、異形成やがんの疑いがあるかどうかを確認する検査です。

1年〜2年ごとの検診をおすすめいたします。

※国立市に住民票がある方は2年ごとに市の補助がございます。詳しくは市のホームページをご覧ください。

子宮頸がんワクチン(自費)

子宮頸がんワクチンは子宮頸がんの原因ウイルスとして多いタイプのHPVの感染を予防するものですが、すでに感染している細胞からそのウイルスを排除する効果は認められません。したがって、初めての性交渉を経験する前に接種することが最も効果的です。当院では、ガーダシル(4価)とシルガード(9価)のご用意がございます(いずれも自費となります)。子宮頸がんワクチンについては下記URLをご参照ください。

ガーダシル(4価) ¥16,500

ガーダシルは、国立市在住の小学校6年生〜高校1年生相当年齢(平成17年4月2日~平成22年4月1日生まれの方)の女子に対しては市の補助があります。適応年齢など詳しくは下記URLをご参照ください。

シルガード(9価) ¥27,500

子宮体がん

子宮体がんとは、子宮の内側(赤ちゃんが発育する部位)である「子宮体部」から発生するがんで、子宮内膜から発生することから「子宮内膜がん」とも呼ばれます。

原因

子宮体がんの発症には、多くの場合「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンが関係しています。エストロゲンは子宮内膜を増殖させ、一方プロゲステロンはそれを抑制する働きがあり、この2つのホルモンがバランスをとることで月経を起こし、子宮内膜の状態を維持しています。しかしそのバランスが崩れ、エストロゲンが過剰になると子宮内膜が増殖し、子宮内膜増殖症という前段階を経て、子宮体がんが発生すると言われています(一部にはエストロゲンが関与しないタイプの子宮体がんもあります)。
エストロゲンが過剰になりやすい状況として、肥満や月経不順、エストロゲンのみのホルモン治療を受けている方、出産歴がない方などが挙げられます。年齢的には40代~60代に多くみられ、特に閉経後の女性が注意しなければならない病気です。

症状

自覚症状として多くみられるのが、不正性器出血です。特に閉経後に不正性器出血などがある場合は早めの受診をお勧めします。

子宮体がん検査

子宮体部に細い棒状の器具を挿入し、細胞を採取してがんの疑いがあるかどうかを確認する「子宮内膜細胞診」が一般的です。さらに、疑わしい部分があれば、子宮内膜の組織を採取して診断をする「子宮内膜組織診」を行います。

子宮がん検診で異常を認めたら

子宮がん検診の結果によっては、精密検査が必要になります。速やかに近隣の高次医療機関へご紹介いたします。

子宮筋腫

Uterine Fibroids

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍のことです。20代~50代の性成熟期に発症します。悪性化することは考えくいので安心ください。閉経後は女性ホルモンの分泌低下にともなって縮小していきます。

子宮筋腫の症状

  • 生理の量が多い
  • 生理が長引いてなかなか終わらない
  • 不正出血がある
  • 貧血の症状がある

治療について

筋腫があるからと言って、必ずしも治療がいるわけではなく、子宮筋腫の場合は悪性化する可能性も極めて低いため、まずは経過観察・ホルモン治療で様子を見ます。対症療法では難しい状況と判断しましたら、提携先の病院をご紹介させていただき、手術を含めた治療法の相談をしていただきます。

子宮内膜症/子宮腺筋症

Endometriosis・Adenomyosis

子宮内膜症/子宮腺筋症とは

子宮内膜組織は子宮の内側にありますが、周辺の臓器などに子宮内膜組織が発生してしまうことがあります。子宮内膜組織が子宮筋層の中にできるのが「子宮腺筋症」、それ以外の場所にできるのが「子宮内膜症」です。月経がある期間にかかる病気で主に20~40歳代に多いと言われておりますが、この頃は、発症年齢の若年化が注目され、10代でも発症するケースも見受けられます。子宮内膜症が卵巣に発生したものがチョコレート嚢腫と言われているものです。それ以外の場所でも発生し、癒着を引き起こし、腹痛の原因になります。

子宮腺筋症

子宮腺筋症

子宮内膜症

子宮内膜症

子宮内膜症/子宮腺筋症の症状

  • かなり強い生理痛
  • 生理以外の腹痛
  • 性交痛
  • 腰痛
  • 月経時の血液量が多い
  • 不妊症など

検査について

生理痛などを問診票でお伺いし、子宮の大きさや卵巣の腫れの有無を内診と超音波検査で確認します。

治療について

患者さんの症状の強さにより、薬物療法・手術療法を検討します。

1.薬物療法
対症療法として、一時的に月経痛や下腹痛の痛みをとるために鎮痛剤や漢方を服用します。また、ホルモンをコントロールする内分泌療法には、低用量ピルや黄体ホルモン剤、GnRHアゴニストなどを使用し、女性ホルモンの分泌を調整することで症状を緩和させます。
2.手術療法

手術療法の場合は、妊娠を今後希望されるかどうかにより、術式が変わってきます。

・将来の妊娠をご希望になる場合には、子宮や卵巣を残して病創部のみを切除します。
・今後の妊娠を考えていない場合には、卵巣の一部を残して卵管や子宮を摘出する場合や、子宮・卵巣・卵管をすべて摘出する根治手術があります。

ご要望に合わせて、ご提案をさせていただきます。手術の場合は提携医療機関をご紹介させていただきます。

子宮頸管ポリープ/子宮内膜ポリープ

Cervical Polyp・Endometrial Polyps

子宮頸管ポリープ

子宮頸管にポリープができるものを子宮頸管ポリープといい、子宮頸管の細胞が何らかの理由で増殖しできる良性腫瘍です。痛みや違和感はほとんどありませんが、ポリープの粘膜は出血しやすく、例えば、激しい運動のあとに出血したり、何もしないのに不正出血が起こったりします。ポリープががん化することはありませんが、時にポリープではなくて、悪性腫瘍である場合もあります。それを知るためには、ポリープ切除を行い、切除片の組織検査を行う必要があります。

治療法

子宮頸管ポリープの治療は切除治療が基本となります。当院で簡単に切除できるものもあれば、大きさや付着部位によっては、高次医療機関での手術が必要な場合があります。出血などの自覚症状がない場合は経過観察を行いますが、ポリープ自体、自然消滅することはほとんどありません。

子宮内膜ポリープ

子宮内膜に発育したキノコ状のイボで、子宮内膜の細胞の一部が増殖してできる良性の腫瘍です。無症状のことが多いのですが、不正出血・月経過多などの原因になることがあります。

治療法

薬物療法での完治は難しいため、治療が必要な際は高次医療機関でのポリープ切除手術が必要となります。

卵巣腫瘍

Ovarian Tumor

卵巣腫瘍

卵巣が腫れる病気にはのちに述べるようにいろいろタイプがあります。ほとんどの場合は良性腫瘍ではありますが、一定の大きさを越える腫瘍は摘出手術などが必要な場合があります。

卵巣のう腫の症状

  • 近頃下腹部が膨らんで目立つ
  • 下腹部に痛みがあり、しこりのような膨らみがある
  • 生理痛がひどいことが多い
  • 頻尿・便秘をするようになった

卵巣のう腫のタイプ

チョコレートのう腫
30~40代の女性に多く起こり、40代をすぎるとがん化するリスクがあります。チョコレートのう腫は子宮内膜症に伴ってできる卵巣のう腫です。以前は、一定以上の大きさになると手術適応でしたが、近年は年齢や適応に応じて、薬物療法が選択されることもあります。
類皮のう腫
20〜30代の女性に多く起こり、閉経後にまれにがん化することがあります。奇形腫の1種で、のう腫内に脂肪組織や歯、軟骨などが見られ、左右両方の卵巣に見られることもあります。良性であることが多く、のう腫の大きさが、ある程度の大きさ以上になると、手術適応になることが多く見られます。
漿液性卵巣のう腫
10〜30代の若い女性によく見られ、非常に発症頻度が高い腫瘍とされています。比較的サラサラした内容液がのう腫内に含まれていることが多く、良性腫瘍の場合、のう腫の袋が一つであることが、比較的多く見られます。
粘液性卵巣のう腫
閉経後の女性に多く、比較的粘液性の高いドロドロした内容液がのう腫内に見られ、のう腫の袋が、複数の房状に分かれていることがあります。

卵巣のう腫の治療

卵巣のう腫の治療は、腫瘍の種類、大きさ、年齢、これからの妊娠・出産の希望などを考慮することも大切です。基本的には、2〜3cm程度の小さなのう腫は、定期検査で経過を観察します。大きさが5〜6cm以上になったり、悪性が疑われる場合は、手術を行います。

ブライダルチェック

Bridal

ご結婚前に、感染症、子宮頸がん検診、子宮と卵巣の状態をみる超音波検査を行います。安心して結婚生活を送るために、そして妊娠や出産のリスクになるようなご病気がないかをチェックいたします。新しいご家族のために、そしてもちろんご自身のためにもおすすめします。